うろこ雲ずらりずらりと行進す そこに自由はあるのだろうか
狸寝のあふるる秋の教室に響く隣のクラスの公民
海の青 み空の青に照らされた 白い明日が私は欲しい
鳴かぬなら放してやろう この様な場所では鳥もなけないらしい
オレンジの携帯ちらちら揺れている机の影に隠したい「僕」
ベクトルは明後日の方向指していて その日暮らしの生徒に消された
「あの雲に乗ってみたい」と言っていた 彼女を空に感じる彼岸
陽の当たる場所に寝そべる猫に吹く風秋涼しい私の心
寝なければ君に会えたかそんな事 分かってるのに揺れるコスモス
海の青……若山牧水「白鳥は悲しからずや」を本歌取り