ガムシロップとアイスティーはガムシロップ入りアイスティーになる

アイスティーにガムシロップの透明が沈んでいく程静かな逢瀬

私たちもう大人なの? アイスティーにガムシロップは沈んだままに

やわらかい首筋を噛む今宵さえシーツは孤独の手触りがする

まざること まざらないこと さみしさはどちらなのかな五月闇

不安でも掻き混ぜてみる気楽さで指がグラスの中身を揺らす

どうせ君も五つの借り物 分からないままでいいんだ紅茶の味も

私たちまだ子どもなのアイスティーの渦はほど無く消え去るでしょう

薄曇の夜が白んでいく からっぽのグラスに満たされていく

グラスみたいに透明になれない身体だから触ってあげるね

五つの借り物……人間のはかない生命のこと。
すべての物は地・水・火・風・空の五つから構成され、
人間の肉体も死ねばこの五つに戻るという仏説からの語(大辞泉)


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ガムシロップとアイスティーはガムシロップ入りアイスティーになる
11.06.22