#TANKAmore 〜リア終こぞりて〜

 3月31日、お花見のテンションに身を任せ、質より量で詠みまくるお昼のカオス歌会「お花見 #TANKAmore」を主催しました。深夜とは違った、和やかな会になりました。
 祭の全容はtogetterから。※注意:とても長いので重いです!


歌ったら花の下にて春あそぶ青空ほどの仲間になるよ

青空が窓から君を誘ったらそのとき私は風しかも八重

子猫がパジャマから着替えているらしい こんな日向で

ほんとうに白色みたい桜花ほのかに入ったピンクが恋慕

ねぇ今日はお花見でしょう早くして…ってさくらの私に言われましても

君からのメールのなかで咲いている桜そうねお元気そうね

わたしからメールで送る桜です遠くでがんばるあなたのもとへ

花びらが舞っているのを掴めたら願いが叶うと聞いたものです

花びらを追いかけ走る子どもらは10年前のあなたと誰か

夏だって秋にも冬にも来てくれた君だけのために開く花びら

恋心は空気に溶けると信じてるような花弁を北風に乗せ

気づかないでしょう少しの赤色を刺した白妙わたしだったの

ローソンでお菓子を買えばいいじゃない デートだなんてそんなものだよ

桜花と一緒の風に吹かれたら私のほっぺたあなたのものよ

老犬がわふわふ歩く春風のなかに混ざった花びらを見て

ストール めがね トイカメラ 春の散歩に必要なそれ

昔あなたと来た場所にいます 桜は5厘咲きです

あな君のミニスカートからのぞく脚つめたい風が撫でて消えるよ

太陽にあっためられたほっぺたに風が涼しい口づけをする

昨年の2人の花見を見た桜 今年もここにいてくれました

ひかえめに咲いた桜も愛おしい私1人が眺めていると

左側にいるひと何度変わっても私が生まれたときから桜

ほんとりと遠くからする子どもらの声を運んだ春風の色

今まさに開こうとする花びらを姉は知ってる胎(はら)の深くに

わたしだけが知ってるサインでせかす犬をなだめるあいだに桜が咲いた

盲目の猫がひざで伸びをせり さくらの香りの風に撫でられ

ひそやかに紅く膨らむつぼみらの紅い霞を君は知らない

さんぽから帰ってきました春うらら うなじに日向が気配を残し

その指に散らされてしまいたい夜明け私は桜よりも桜だ

君に身を心を委ねるしかないと笑む人の肩に桜一片

君がそう生まれた日にもこの場所に陽がさし桜は咲いたところで

夕焼けのやわい光に染まっても桜は桜でわたしはきみの

おなかへったねって、おなかへったねって言いあうほどのお付き合いです

ここに水たまりがあったらどんなにも綺麗でしょうねと猫が言います

こすずめが桜の花を見つけたら明日は今日よりお天気でしょう

春が猫だったら何色戦争がひそやかに今勃発してる

ほんとうに風が想いを乗せるなら白い花弁はだれの初恋

日が暮れる まだ大丈夫 と顔をよせ囁きあったら2人恋人

タナトスという言葉があるそうで君のなみだと桜がはらり

陽の色が移ろいゆくのを眺めてるひざに白猫1匹のせて

子猫たちも今は眠るよそれぞれの色と模様の毛並みのままで

スタバのさくらラテおいしかったよって 伝えたいだけ君を待ってる

自己一致のレポート書いても自己一致できないままで今年も4月

純粋さが何か分からぬ今日であれ桜は咲いてそれから散って

うそばっかついてる君がほんとうの証拠として出す花びら3枚

肌寒くなってく夕陽が沈んでく また会えるのに寂しいのが恋

きみのせなかに入れた花びら バイバイしたってそばにいたいな


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11.05.29