#TANKAmore

 8月15日、深夜のテンションに身を任せ、質より量で詠みまくるカオス歌会「#TANKAmore」を主催しました。その中で詠んだ短歌です。本歌取りや返歌など、影響を受けたのが確実に分かる分と、ご挨拶系は収録していません。
 省いていないバージョンはtwilogから。


 開会のアイサツは無し あなたなら忍び込んでも許してあげる

 月明かり差す窓からの風を受けカーテン揺れたら始まりのとき

 あたしってホントは子猫らしいです なんだか君が撫でてくれるし

 ひだまりにピアノがあればいいのにね お昼寝みたいなワルツを弾くよ

 クラクラのシラシラでした花が咲く雪道に刺す太陽でした

 見上げれば空は多角の怪奇図形 君も消えちゃうつもりなんでしょ

 気後れは空の彼方へ虹の橋桁に腰掛け2人は言った

 想定の100倍の量!さあみんな溺れちゃダメだよ踊ってみせて

 ファブリーズ アナログテレビ ワンピース わたしの新居のお客さまたち

 なにもかも泣かないでいて儚さのイデアのキスの香りの夜よ

 指先が好きだと言われたその日から触れる全てがあなたに見える

 オノマトペ風舞うような春のこと 新入生のスカートふわり

 終わらせる呪文無いまま始まった君とのダンスはタナパチスラリ

 時速3万キロメートルこころならいつも飛び立つ準備をしてる

「ハナミズキってどんな花です?」「白くって、貴女が着ているドレスのような」

 カルピスを作ってくれる人もなく せまいシンクはわたし専用

 錯覚の必要性をレポートにまとめた夜には星が冷たい

 スキーマが何かを埋めることはない 君との恋はまだ手動式

 無意識の存在をキミ 信じたら 振り返る度せつなくなるよ

 フロイト ユング エリクソン ロジャース 君のこころは君の

 「たんかもあ なんだか変な響きです」「君はなんでも真面目に言うね」

「取ってきて」とは頼めない悲しみは一人暮らしの冷蔵庫のなか

 君のこと助けられない気がしてる 心理学の沈黙の夜

 眠くても我慢している幼子の黒い瞳の黒さの今宵

 人間は数学的に連続であなたの気持ちが遠くに見える

 人間は数学的に連続で 二人の舌が離れる速度

 ぼくのこと きみはすきかな まんじゅしゃげ あかいくちびる ほほえみかける

 眠たくて合成数の柔らかい空気のようなあなたが好きよ

 半素数に似ているこの恋は 素数に戻るのも一瞬で

 本当に1つなんだと思ってた カルピスと水と同じくらいに

 コサインが私で貴方はタンジェントのようだね いつか触れ合う

 ちょっぴりね眠たいときに囁きを聞けたらいいね「きみはトレジャー」

 眠たさは柔い重力 恋人の質量を肌に纏えば深夜

 閉会の言葉も無いの人間は朝に呼ばれてしまうみたいで

 おやすみを言ってもいいんだ画面越しあなたそこにいてくれるから

 眠たさが言葉を無意味にしてしまうその瞬間のキスの記憶に

 おやすみを言いたい人がいる今宵しあわせでした「おやすみなさい」


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10.09.09
ホント眠かった……