軽い夜空

 枯れかけの白つめ草を踏みながら 君との結婚予感していた

「君だけは」そう思うのが恋ならば 恋のために死ねる気がした

 初恋に金木犀が咲いていた 葉っぱに隠れて散るまで想う

 鏡よ鏡 私には 世界で1番なんて見れない

 自殺する 雨の日にする 洗われた 軽い夜空を渡っていきたい

 そこかしこ いい匂いがする星月夜 君のすそをキュッと掴んで

 寝そべって夢におちるの窓に雪 灯火親しむあなたの隣

 恐ろしく明るい月が形だけ朧に優しい自殺のように

 夜空からいい匂いがした秋の日の 想い出だけを掬って眠る

 天国に此処は似ている幾千の粉雪の上 君に会いたい


「君だけは」……ポルノグラフィティ「カルマの坂」に寄せて


角さんへ キスして
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08.10.26