題詠blog2009

お題の言葉を歌に詠み込み、投稿していく題詠blogというイベントに参加しました。2首目以降の歌は、投稿しなかったけれど気に入っている歌です。


001:笑
笑っても 笑っても笑っても やる瀬ないし愛して欲しいの虎落笛(もがりぶえ)

002:一日
十月の二十一日生まれたの 君にはそっと教えるつもり

003:助
梅が香(か)に誘われ覗く助枝窓(したじまど) 花を見上げる君に恋した

004:ひだまり
ともだちは君とひだまりだけでいい ひだまる ひだまれ ひだまれど

005:調
「君だって幸せなはず」強調の虚偽のリズムで僕は歌うよ

006:水玉
水玉の水風船をもてあそぶ指に噛みつきたい星月夜

007:ランチ
呆れてよ デスクトップランチャーが同じってだけで恋に落ちたの

008:飾
艶やかにフェルメールの描いた耳飾り あんなに白い私をあげる

009:ふわふわ
ふわふわの短歌がほしい 心友と呼べる貴女の涙の前で
ふわふわの言葉が欲しい かつてない 生命(いのち)の軸にキスするような

010:街
僕の住む町は「街」ではないんだよ 決定的なさよならしよう

011:嫉妬
部屋のすみ小さくなってる「助けて」に ほんのちょっぴり嫉妬している

012:達
他の人の成功とか、見飽きちゃって詠んだうた。
君となら行ける気がする到達も達成もないのに幸せなとこ

013:カタカナ
カタカナの固いカタチに囚われたセカイおはよう おやすみあなた

014:煮
四月の光にかざすビン詰め ラベルは「砂糖で煮詰めた初恋」

015:型
ハート型に君のこころを採取して顕微鏡で確かめている

016:Uターン
Uターン繰り返しても最後には人は未来を愛してしまう

017:解
「解なし」の関数みたいね私たち 着かない足をふらふらさせて

018:格差
知っているきみの性格差しぐんだ涙は知らないふりの珈琲

019:ノート
曲線を描く度思い出すでしょう 数学Bのノートの秘密

020:貧
好きだとか孤独だとかを喚いては貧しい短歌(うた)を詠んできました

021:くちばし
子すずめがくちばしでしているようにしたい あなたの睫にそっと


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